ベビースイミング通信VOL.19

稲毛インターナショナルスイミングスクールのベビースイミングの目的の一つにコミュニケーション能力の養成があります。次に上げる指差しはコミュニケーション方法の一つです。レッスン時にも取り入れています。

 記事から紹介    

赤ちゃんの指差しとは?

指差しは、言葉を使ってコミュニケーションを取ることができない赤ちゃんが、自分の思いを伝えたいときに示す行動です。

方向やものを指で差して、「ちょうだい」「見てほしい」などの気持ちを伝えようとしています。赤ちゃんによっては指ではなく、手全体を使ってなにかを伝えようとする場合もあるでしょう。

赤ちゃんはいつから指差しをはじめる?

個人差はありますが、指差しは生後6か月~1歳頃からしはじめるでしょう。

最初のうちは、上手く指が出せずに、手全体を使って方向を差すことも少なくありません。指差しが見られないと悩んでいる方は、赤ちゃんが手差しをしていないかチェックしてみてください。赤ちゃんの指差しが見られた場合は、しっかり反応してあげましょう。

【月齢別】赤ちゃんの指差しの意味

指差しはただの仕草ではなく、赤ちゃんにとって、とても大切なコミュニケーション方法です。成長するにつれ、その意味や目的は変化していきます。

なにを考え指差ししているのかを理解することは、親子の信頼関係を深め、赤ちゃんの言語能力を高めるために重要になるでしょう

 

【10か月】興味があるものを指差す

10か月頃の赤ちゃんは、自分が興味のあるものに対して指差しするでしょう。

目の前を走っている車が気になり指を差したり、新しいおもちゃに興味を示し指差ししたりと、視界に入った興味があるものに対して行います。

この頃は、上手く指を出せずに、手差しをしていることもあるので、よく観察してみましょう。

 

【1歳】共感してほしいものを指差す

1歳になると、「あれを見て」「これはなに?」といったように、共感してほしいものに指差しするようになります。「共感の指差し」や「叙述の指差し」などといわれるものです。

相手の顔を見ながら、自分の気持ちや興味に共感してほしいと思いながら指差ししており、社会性が身に付いている証とも取れるでしょう。

またこの時期になると、「ブーブー」「ワンワン」など1語を使いながら、指差しすることもあるでしょう。

【1歳2か月】ほしいものを指差す

1歳2か月頃になると「あっちに行きたい」「あれちょうだい」などと、ほしいものを指で示す、「要求の指差し」がはじまります。

この頃は、やりたいことやほしいものなどがはっきりしてきますが、まだ言葉で気持ちを完全に伝えることができない時期です。そのため、指差しで要求を伝えようとします。

【1歳6か月】質問に答えるように指差す

1歳6か月頃になると、お父さんやお母さんなどからの質問に対し答えるように指差す、「応答の指差し」が見られるようになります。たとえば、「ワンワンはどこ?」と質問すると、犬がいる方向を指差すといった行動です。

応答の指差しができるということは、赤ちゃんが言葉をある程度、理解しており、意思疎通が取れているという証でしょう。

 

赤ちゃんに指差しをさせる方法

多くの赤ちゃんが大人とのやりとりのなかで自然に指差しを見せるようになりますが、なかなか指差し行動が見られない赤ちゃんもいるでしょう。

指差しが見られない場合、いつからできるようになるのか、どうすればできるようになるのかと心配になるでしょう。

ここでは、赤ちゃんに指差しをさせる方法を紹介していきます。

 

言葉をかけながら親が手本を見せる

赤ちゃんは親の行動を見て、それをまねることでさまざまなことを覚えていきます。「あそこに○○がいるよ」などと指差しをしながら話してあげると、自然に赤ちゃんがまねるようになるでしょう。

最初は興味を示さなかったり、見てくれなかったりすることもありますが、繰り返し指差しを赤ちゃんに見せることで自然にまねてくれるようになるでしょう。

 

子どもの指差しにしっかり反応を見せる

指差しをしたときは、親などの周りの人がしっかりと反応を見せることも大切です。

指差ししたときに、「きれいだね」などと反応すると赤ちゃんはうれしくなります。うれしくなれば赤ちゃんはもっと気持ちを共有したいと感じ、さまざまなものに指差しをするようになるでしょう。積極的に反応して、赤ちゃんの指差しが増える雰囲気にしてください。

 

テレビの視聴は控えさせる

赤ちゃんが大人しくしてくれるからといった理由から、テレビや動画をつけたままにしているご家庭もあるでしょう。テレビや動画といった一方向的な関わりだけでは、言語能力や社会性は育たず、指差しを促すことにもつながりません。

赤ちゃん1人で長時間、テレビや動画を見せている環境にある場合、それを見直すことが重要です。テレビや動画の視聴は控え、親子でコミュニケーションを取る機会を増やすことがおすすめです。

親子でのコミュニケーションが楽しいと感じると、自然に指差しが出るようになり、言語能力や社会性も向上していくでしょう。

出典:『メディア漬け』と子どもの危機|科学技術情報発信・流通総合システム」(J-STAGE)

指差しをしながら楽しくコミュニケーションをとろう

 

指差しは、親子のコミュニケーションツールとして役立つだけではなく、言語能力や社会性の獲得に重要なものです。発達段階によって意味が変わるため、そのときどきでなにを伝えようとしているのか、注意深く観察しましょう。

もし、指差しが見られないと感じる場合には、今回紹介したことを参考に赤ちゃんを誘導し、コミュニケーションを楽しんでみてください。

出典:なぜ幼児の指差しは後の言語コミュニケーションと関連しているのか?|聖心女子大学 岸本健 教授 著

 

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