読売新聞の記事の中に子どものご誤嚥死調査とありました。子どものご誤嚥事故の原因製品は、タバコ、医薬品、医薬部外品、食品、玩具、金属製品、プラスチック製品、硬貨、洗剤化粧品、電池などです。この中で1番多いのは、17ヶ月以下の乳幼児でタバコの誤飲ですが、この記事では食品による事故について、書かれています。
炒り豆や、ぶどう、りんご等が載っています。
そこで消費者庁の子どもの誤嚥事故について調べてみました。
「誤嚥事故に注意! 食品による子どもの窒息死・管支炎や肺炎を起こすおそれもあり硬い豆やナッツ類等は 5歳以下の子どもには食べさせないで」と。
厚生労働省の人口動態調査によると、平成 26 年から令和元年までの6年間 に、食品を誤嚥1して窒息したことにより、14 歳以下の子どもが 80 名死亡して いました。そのうち5歳以下が 73 名で9割を占めていました。特に注意が必要なのは、奥歯が生えそろわず、かみ砕く力や飲み込む力が十分ではない子どもが、豆やナッツ類を食べると、のどや気管に詰まらせて窒息してしまったり、嚥下肺炎を起こしたりするリスクがあるとのことです。
口の中に豆類が入ったまま走る、寝転がる等の運動を行ったり、リクライニングしながら食べたりすると咽頭に入り込みやすくなり、窒息・誤嚥のリスクが高くなることや、豆類が小さかったり、呼吸中など気道が広がっていたりすると、喉頭や気管まで入り、窒息のリスクが更に高くなることが分かりました。
これらを踏まえ、窒息・誤嚥事故防止のため、以下のことに注意しましょう。
(1)豆やナッツ類など、硬くてかみ砕く必要のある食品は5歳以下の子ども には食べさせないでください。
喉頭や気管に詰まると窒息しやすく、大変危険です。小さく砕いた場合でも、気管に入りこんでしまうと肺炎や気管支炎になるリスクがあります。
(2)ミニトマトやブドウ等の球状の食品を丸ごと食べさせると、窒息するリスクがあります。乳幼児には、4等分する、調理して軟らかくするなどして、よくかんで食べさせましょう。
(3)食べているときは、姿勢を良くし、食べることに集中させましょう。
物を口に入れたままで、走ったり、笑ったり、泣いたり、声を出したりす ごえん
ると、誤って吸引し、窒息・誤嚥するリスクがあります。
(4)節分の豆まきは個包装されたものを使用するなど工夫して行い、子どもが拾って口に入れないように、後片付けを徹底しましょう。
応急手当の方法(救急蘇生法の指針 201511から一部抜粋)
乳児(1歳未満の子ども)
苦しそうで顔色が悪く、泣き声も出ないときは気道異物による窒息を疑います。 窒息と判断したら、以下の対応を開始します。ただし、誰かが周りにいればその前に 119 番通報を依頼します。
反応がある間は頭側を下げて背部叩打と胸部突き上げを実施します。乳児では
腹部突き上げは行いません。 背部叩打では、片方の手で乳児のあごをしっかり持ち、その腕に胸と腹を乗せて頭側を下げるようにしてうつ伏せにし、もう一方の手のひらの基部で背部を力強く数回連続してたたきます
胸部突き上げでは、片方の腕に乳児の背中を乗せ、手のひら全体で後頭部をし っかり持ち頭側が下がるように仰向けにし、もう一方の手の指2本で両乳頭を結ぶ線の少し足側を目安とする胸骨の下半分を力強く数回連続して圧迫します。乳 児を腕に乗せて心肺蘇生のときと同じ方法で胸骨圧迫を行います。
1歳以上
気道異物により窒息を起こすと、自然に親指と人差し指でのどを つかむ仕草をすることがあり、これを「窒息のサイン」と呼びます。この仕草をみたら周囲の救助者は異物除去の手順を行っ てください。
窒息と判断すれば、ただちに 119番通報を誰かに依頼した後に、 腹部突き上げや背部叩打を試みます。
腹部突き上げと背部叩打は、その場の状況に応じてやりやすい方 法を実施してかまいませんが、1つの方法を数度繰り返しても効果 がなければ、もう1つの方法に切り替えてください。異物が取れるか反応がなくな るまで、2つの方法を数度ずつ繰り返して続けます。
傷病者がぐったりして反応がなくなった場合は、心停止に対する心肺蘇生の手順 を開始します。近くに AED があれば、それを持ってくるよう近くにいる人に依頼し ます。
腹部突き上げ法 救助者は傷病者の後ろにまわり、ウエスト付近に手を回します。一方の手でへその位置を確認し、もう一方の手で握りこぶしをつくって親指側を傷病者のへその上方でみぞおちより十分下 方に当てます。へそを確認した手で握りこぶしを握り、すばやく 手前上方に向かって圧迫するように突き上げます。傷病者が小児 の場合は救助者がひざまずくと、ウエスト付近に手を回しやすく なります。
腹部突き上げを実施した場合は、腹部の内臓をいためる可能性 があるため、異物除去後は、救急隊にそのことを伝えるか、すみ やかに医師の診察を受けさせることを忘れてはなりません。119 番通報する前に異物が取れた場合でも、医師の診察は必要です。
背部叩打法 立っている、または座っている傷病者では傷病者の後方から手のひらの基部(手掌 基部)で左右の肩甲骨の中間あたりを力強くたたきます。
日頃よりこのような事故にならぬように、食事・おやつ時には座って姿勢を正しくし、良く噛んで食べる事です。