ベビースイミング通信VOI.21

 

最近ベビースイミング指導をして感じることは、言葉の発達が遅れている事、オムツを外す時期が遅くなっている事が感じられます。

今回は言葉について考えていきます。

言葉の発達が遅い一つの原因として考えられることは、赤ちゃんに言葉をかける事が少なくなっていると思います。言葉を発する事から言語になるまでは、単に言葉を聞かせるだけではありません。「ことば」の発達は時間がかります。それは、発語に至るまでにさまざまな要因が複雑に関係しているからです。
発語に至る前段階として、脳や神経などの身体的な発達と、それに伴う感覚や運動機能、情緒などの全体的な発達が欠かせません。
そして、それらの発達が「ことば」に繋がるまでにはとても時間がかかります。なぜなら、「ことば」を耳で聞いて実際に物を見たり、触って感じたり、単語を1つずつ覚えたりとさまざまな体験をすることで情報を集め、それぞれの感覚 (視覚・前庭感覚・固有受容覚・触覚・聴覚)や 感情、「ことば」の理解といったものの情報を取り込まなければならないからです。

人と直接かかわる中で触った感触・心地良さ・聞いたりみたりした物・楽しかったこと・安心感・愛されている実感によって情緒の安定・運動機能の発達が大切なポイントとなります。テレビ・スマホなどの二次元の画像ではなく、人の笑顔・声・口の動きなどの刺激が同時に与えられることが発語に繋がります。赤ちゃんの学習は模倣動作から始まります。大人の動きや表情を見て真似することで、自分の表情・言葉・動きができるようになり、それを親子で共有・共感すれば絆も深まります。言葉は人間が進化し続けて得た最高の能力です。ヒト(アニマル)として生まれ人間(シューマン)になるための大事な道具です。

標準的な言葉の発達段階は次の通りです

[言葉の発達段階]

  • 0〜1歳 「喃語」 

「あーあー」「うー」などの母音から始まる言葉(喃語)が出てくる時期です。ママやパパなど愛着関係のある大人の顔をみると、ニコニコしながら喃語で話す。

  • 1歳〜1歳6ケ月頃「一語文」

「まんま」「ブーブ」など意味のある単語を使って、一語文を話し始める時期です。自分の気持ちを一語文で伝えようとする

  • 1歳6ケ月〜2歳頃「二語文」

「これ、ちょうだい」など2つの単語を使って、文章のように話す。子どもの気持ちも受け止めやすくなるの1連の流れで1連の流れで、絵本など使ってたくさんの言葉に触れるようにして、言葉を楽しみましょう。

  • 2歳〜2歳6ケ月頃「三語文」

「わんわんの絵本読んで」など3つの単語を使って、より意味のある言葉を話すようになります。この時期には「なんで?」「どうして?」と疑問に思うことも増えて質問してきます。子どもの好奇心になるべき丁寧に寄り添い、付き合ってあげましょう。

  • 2歳6ケ月〜3歳「模倣」

発音がしっかりしてきて、大人のマネをしたがる様になります。簡単な言葉の意味に興味を持って使いたがるので、わかりやすいように丁寧に説明してあげましょう

  • 3歳〜4歳頃「複分」

2つ以上の述語が組み合わせている複分を使いはじめる時期です。代名詞や助詞を使い、大人と対等に話せるようになってきます。

[まとめ]

[言葉の発達を促すには]

  • 積極的に話しかける
  • 赤ちゃんが安心する話しかけ方をする
  • 絵本の読み聞かせで言語力を伸ばす
  • 同じものを見ながら相槌を打って話す
  • 先回りして話さない
  • 言い間違いを注意しない
  • 言葉を使った遊びを行う

 

[言葉の発達に必要な事]

  • 言葉を聞き分ける「聴力が」発達している事
  • 言われたことが理解できる「知能が」発達している事
  • 発声するための「運動機能」が発達している事
  • 子どもに話すという「欲求」がある事

運動機能と発語には密接な関係があり、運動を介して言葉の発達を促すことができます。

[運動と発語の関係]

  • 体を動かすことで脳内の神経回路が活発になり、発語に必要な認知機能が向上します

「ベビースイミングでは」

ベビースイミングは人間形成の基礎作りをする大事な時期です。どの様な方法で行うかより、なぜそれをするのかが大切で、泳げる様になったという結果ではなく、どの様にしたか、過程・プロセスがとても大事です。

例えば腰掛けとびを行う時に、「さぁ腰掛け跳びをします123」と号令をかけ一斉に腰掛け跳びをさせます。この方法は赤ちゃんの自発的な動きを阻害し、赤ちゃんの気持ちや判断能力を無視しています。結果楽しくありません。

ではどのようにするかと言うと、同じ腰掛け跳びでも「これから腰掛け跳びをします」と言った後は、それぞれの親子のタイミングで行うことが大切です。赤ちゃんの胸を支えると飛び込む赤ちゃん、手を持ってあげると飛び込む赤ちゃん、一人で飛び込む赤ちゃん、この時お母さんお父さんは、赤ちゃんが安心して飛び込めるような言葉がけをして自発的に飛び込むまで待ってあげます。

この一連の動きの中で、時ちゃんの脳はどのような経路をたどっていくのでしょうか?

まず飛び込むと言うことを理解しないといけません。周りの赤ちゃんの様子を見て模倣をします。そして安心して飛び込める方法を親に要求し、お父さんお母さんの言葉がけで、飛び込むか、飛び込まないか判断し、決断し勇気を出して実行します。

この飛び込んだと言う行動は、脳の中では脳幹でセロトニンが出たり、ドーパミンが出たり大脳辺縁系で感情怖い、前頭葉でお母さんお父さんがいるから大丈夫と判断し、勇気を持って決断して飛び込みます。

1つの教程を行うだけも感覚神経・脳幹・大脳・大脳新皮質をフル回転させているわけです。ベビースイミングは赤ちゃん主体のベビースイミングを行うことで、赤ちゃんの健全なる発育と発達を促し親子の絆を深めるもとなります

前頭葉(創造・判断・記憶など)の開発はまず土台となる五感の発達・運動・情緒・社会性を育む事です。

授乳時おむつ交換時に赤ちゃんに微笑みかけながらたくさん声かけをしてみましょう。また、ベビースイミングを行っているときは、日常生活等の忙しいことなど忘れ赤ちゃんの目を見ながら、赤ちゃんの体を優しくスキンタッチしお話ししてあげましょう。お母さんの手は、ゴットハンドだからです。

さあ皆さん!!      赤ちゃん主体のベビースイミングを楽しみませんか?。

 

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