【把握反射ってご存知ですか?】
赤ちゃんの手にふれた時、ギュッと強く握り返してくれるととても嬉しくて愛おしく思いますね。 このギュッと握る動作は脳からの指令とは関係なくまわりの刺激や働きかけにより、無意識におこる身体の動きで「把握反射」と呼ばれるものです。 この把握反射は生後2ヶ月の赤ちゃんで、片手で自分の体重を支える力があります。把握反射は生後3~4ヶ月頃に消失します。
指を使って「握る」動作は脳の発達に大きな影響があると言われています。この時期の遊びとして赤ちゃんの手のひらにお母さんの指を近づけるとグッド握ってくれます。ときには柔らかい布を握らせたりして遊んであげると、指先のトレーニングになるほか、少しずつ握力がついたり自分の意思でものをつかめるようになっていきます。把握反射を繰り返すことで運動神経が向上して行き、脳の発達も促されます。把握反射の消失後は、たくさんの手遊びをやってあげるとよいでしょう。
手遊びとして「グー・パー・チョキ」それから足指でも同じように「グー・パー・チョキ」。「チョキ」は2歳前後から出来る様になります。
プールでは、お母さんの親指をしっかり握って、ユラユラしたりする(落下しても水の中)楽しい遊びも、脳の発達を促進させます。
また、プールに飾ってあるデコレーションのボウルなど使って、青いボールはどれ、ピンクのボールはどれと言って指さしもしています。 S・I
私達が使用しているベビースイミングBOOKのIDカード発育発達の項目の中に「指差し」が出来るか?という項目があり1歳6ヶ月健診では、指さしの確認をすることがあります。
そこで、指さしについて調べて見ました。
指差しは自分と他者とそれ以外の物の、指さした先を追うことができるか、といったことをみます。
指さしの成長には段階があります。
9~10ヶ月ごろから 「指向」の指さし
9~10ヶ月ごろから、「ねこちゃんだよ」と言われて、指さされた方向を見ることができるようになります。それまでは出された指を見ているのですが、指さした先に何かがあるということに気づくことで対象物の方を向く「指向の指さし」ができるようになります。
11ヶ月ごろから 「自発」の指さし
11ヶ月ごろから、自分が興味をもったものをほかの人に伝えるために「あっ! あっ!」と言いながら、まさに自発的に指さします。 指さしたものや手を伸ばした先にあるものを、ほかの人が一緒に見てくれると分かることで、コミュニケーションの楽しさも知るようになります。
1 歳ごろから 「要求」の指さし
1歳ごろから、自分が興味をもったというだけでなく、「ほしい」という意思をこめて指さします。ほしいものを取ってもらいたい要求の手段としての指さしになります。
1歳~1歳6ヶ月 ごろから 「共感」の指さし
1歳~1歳6ヶ月ごろから、何かを見つけたときに、「あっ!」と言ったり、発語があれば「わんわん!」と言ったりしながら指さして、一緒にいる人に伝えようとします。指さしながら相手の表情を見て、興味や感情を分かち合おうとします。このことは社会性の発達が成長していることも意味します。
1歳 6ヶ月ごろから 「応答」の指さし
1歳6ヶ月ごろから、たとえば絵本などを見ながら「犬はどこにいるかな?」と聞くと、その対象物を指さすようになります。これを「応答」の指さしといいます。また、「お母さんはどこ?」と聞くと、隣の部屋にいて姿が見えなくても、いる方向を指さします。質問に答えるという、もう一歩進んだ指さしです。
身体的成長の指さし
ところで、ここまでは心の成長によってできるようになる「指さし」を説明してきましたが、身体的な成長によっては指さしがうまくできない場合もあります。
人差し指を1本だけ立てて、ほかの指を曲げるという動きが難しい場合、手のひら全体を使って方向を指示することも「手ざし」と呼んで、同じ役割と考えます。
コミュニケーションとしての指さしは、必ずしも人差し指を立てなくてもいいわけですが、もし、不器用さで指さしの形がつくれないという場合には、少し練習してみてもいいでしょう。
鈴木 直光先生(筑波こどものこころクリニック院長)コラム 参照