ベビースイミング通信VOL.15

— 環境が脳をつくる・経験が脳を変える —

  生まれたばかりの赤ちゃんは、ほんのわずかの刺激に反応するだけの存在です。それが、視覚や触覚やその他いろいろな刺激を受け入れて、反応することを覚えていきます。

水面のゆらぎ・泡を見ている子

皮膚で水を感じ・水を捉え、手足を動かしている子

ここち良さそうな反応をしているお子さんをベビースイミングではたくさん見ることができます。

 そして、反応は単純なものから、複雑なものとなっていきます。この間に、脳のニューロンは樹状突起を伸ばし、シナプスの数を増やし、軸索を髄鞘化しています。生まれて6ヶ月〜15ヶ月の脳の変化は急激です。刺激に反応している間に、機械のように反応するのではなく、考えて反応するようになって、自我が出来上がっていきます。

この刺激は強すぎない、年齢にあったものであることが大切です。スマホやテレビなど平面的画像の中からの情報ではなく、本物の自然の中で風邪を感じ、虫を目で追い、植物の香りに気づいたり、大好きな家族といっぱい笑いあって、豊かな刺激を感じてもらいたいですね。ベビースイミングでは、あたたかい水で遊びながら、心地よい刺激を体感することができます。なかでも、お子さんの自発的な意識で行ったロールは素晴らしいですね。水上・水面•水中の360度をクルーっと回転します。ワクワクドキドキの気持ちで、空気と水を連続して、様々な感覚を使って体感しています。

 ベビースイミングの環境と経験が子供たちの人生を豊かなものにしてくれるでしょう。      A.I

               

以下はベビースイミング通信VOL.8の一部です。

神経系の発達は早く8~9歳頃にピークを迎えて12歳頃には、ほぼ完成します。 運動が得意になるかは、12歳までの遊びや運動の体験によって決まります。 8~9歳を過ぎても遅くはありませんが、発達のピーク時を有効に過ごすことで、将来世界的に活躍できる選手になるかもしれません。

大脳の発達の土台となる順番は、感覚・運動・情緒・社会性・言語・知性が絡み合って形成されていきます。動神経は感覚神経と共に脳中枢神経でつながり、両神経系の発達が脳中枢の発達を促すからです。0歳から3歳の間に感覚神経・運動神経の開発が重要です。

赤ちゃんはヒト(アニマル)として生まれ、人間(ヒューマン)として成長していく環境が必要です。赤ちゃんは親からもらった遺伝的に決まった構造と働きを保つように仕組まれて生まれてくるものの、それ以上に、脳は生後の環境によって成長していきます。人は環境動物なのです。脳は出会いによって育まれます。

感覚神経(五感)が全開している乳幼児に必要なのは、ママの温もり・笑顔・匂い・語りかけ・アイコンタクト・スキンタッチなどの触覚神経。視覚神経・嗅覚・聴覚・味覚ともう一つ大事な固有受容覚の刺激を快感として体得する事が、大脳のネットワークの開発に繋がります。

皮膚感覚は聴覚とともにもっとも大切な感覚系です。妊娠8週目の胎児に皮膚感覚が出来ています。皮膚の感覚は痛覚・温覚・圧覚・触覚があります。

特に触覚は生まれてすぐ必要なため生後急速に発達します。「生体の欲求」として、乳幼児が全身で求めるものは、肌の他に水の感覚・土の感覚・木の感覚です。肌・水・土・木との触れ合いが乳幼児の脳を刺激して生命活動・情緒・内臓機能を健康で安定した状態で脳を健全に発達させます。

感覚器の中の視覚は触れたり聴いたりしながら、実体験をした事に意味があります。

ベビースイミングの脳への効果

ベビースイミングにおいて親がすべきことは、赤ちゃんの好きな動作を見つけ出し、それを繰り返し行い、日々の成長をあたたかく見守ってあげると、子どもの脳は学習モードに入り、安心感や喜びなど「快」を感じると「脳の報償系」がより活性化し、水中でリズミカルに手・足を動かし始めます。

感覚器と運動神経の結び付きは情緒へと発展し相乗効果を産みます。それに加えて、お母さんに抱かれ、指導者に見守られてのやさしい表情・語り掛けは心全体の機能に働きかけます。水中で動くことの大きな効果は、部分的では無く身体・心全体の発達に効果を与えると言ってよいでしょう。

「子どもは遊びの中で育つ」「遊びは全て学習」自分の感情や欲求に従いながら、能動的に遊び、熱中する。これが集中力・自発制・創造性を形成し知的能力に発展していくのではないでしょうか。

ベビースイミング・3歳児水泳を指導していくなかで、好きな泳ぎ・水遊びをしている子の泳ぎ方・水慣れの仕方は、個々に工夫が生まれています。

逆に親が先回りをして、子供に要求をしている場合は、親の期待に沿おうと努力し続けてしまう。その結果、自主性が無く依存的で自発性に欠け、楽しそうではありません。

ベビースイミングでは子どもの好きな水慣れを見つけ出し、水をオモチャにして、何回も繰り返して行い楽しませてあげる事が、能力開発と同時に「人間力」を高めることになると思います

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