ベビースイミング通信VOL.8

ベビースイミングの目的・効果はどんなもの? NO3

 

前回は肺胞の増加についお話ししました。

今回は大脳についてお話しします。

生まれたばかりの赤ちゃんの脳は400g。そこから脳の大きさも重量もどんどん増えていきます。赤ちゃんの脳の中ではどんな変化が起こっているのでしょうか。脳には生後すぐから大人と同じ神経細胞140億個が出来上がっているので、その数が増えるのではなく、神経細胞同士がつながることで成長していきます。この神経細胞からは軸索という突起が出て細胞同士がつながります。この軸索の先端部分をシナプスといい、このシナプスを介して情報信号を伝達するのです。シナプスの数は、どんどん増えて脳のネットワーク化が進みますが、あまりに多すぎるとネットワークが複雑になり、かえって正確な情報が伝わりにくくなってしまいます。そのため、余分なシナプスを刈り込み、脳の回路を効率よく整理することで、脳やからだの動きがスムーズになっていきます。

0歳から3歳は脳が育つ大切な時期です。親はどんな刺激を与えるべきかと考えてしまいがちですが、赤ちゃん自身が心地良い・楽しい・好きだからというだけで、そのネットワークがよく使われて強化されていきます。

この図からも、赤ちゃんの脳は0歳から1歳の間に急激に発達し3歳には成人の60%位まで成長することが分かります。。

スキャモン曲線 - Kinder Athlete Training

スカモンの発達曲線

この図はスカモンの発達曲線と言い、脳や脊髄、視覚器などの神経系や感覚器系の成長を示したものです。 神経系や感覚器系というのは、生まれてから早い段階で、大人と変わらないレベルにまで成長を遂げます。 したがって、神経系の発育曲線は、出生後から一気に増加し、成長期には100%の状態にまで達します

神経系の発達は早く8~9歳頃にピークを迎えて12歳頃には、ほぼ完成します。 運動が得意になるかは、12歳までの遊びや運動の体験によって決まります。 8~9歳を過ぎても遅くはありませんが、発達のピーク時を有効に過ごすことで、将来世界的に活躍できる選手になるかもしれません。

大脳の発達の土台となる順番は、感覚・運動・情緒・社会性・言語・知性が絡み合って形成されていきます。運動神経は感覚神経と共に脳中枢神経でつながり、両神経系の発達が脳中枢の発達を促すからです。0歳から3歳の間に感覚神経・運動神経の開発が重要です。

赤ちゃんはヒト(アニマル)として生まれ、人間(ヒューマン)として成長していく環境が必要です。赤ちゃんは親からもらった遺伝的に決まった構造と働きを保つように仕組まれて生まれてくるものの、それ以上に、脳は生後の環境によって成長していきます。人は環境動物なのです。脳は出会いによって育まれます。

感覚神経(五感)が全開している乳幼児に必要なのは、ママの温もり・笑顔・匂い・語りかけ・アイコンタクト・スキンタッチなどの触覚神経。視覚神経・嗅覚・聴覚・味覚ともう一つ大事な固有受容覚の刺激を快感として体得する事が、大脳のネットワークの開発に繋がります。

皮膚感覚は聴覚とともにもっとも大切な感覚系です。妊娠8週目の胎児に皮膚感覚が出来ています。皮膚の感覚は痛覚・温覚・圧覚・触覚があります。

特に触覚は生まれてすぐ必要なため生後急速に発達します。「生体の欲求」として、乳幼児が全身で求めるものは、肌の他に水の感覚・土の感覚・木の感覚です。肌・水・土・木との触れ合いが乳幼児の脳を刺激して生命活動・情緒・内臓機能を健康で安定した状態で脳を健全に発達させます。

感覚器の中の視覚は触れたり聴いたりしながら、実体験をした事に意味があります。

ベビースイミングの脳への効果

ベビースイミングにおいて親がすべきことは、赤ちゃんの好きな動作を見つけ出し、それを繰り返し行い、日々の成長をあたたかく見守ってあげると、子どもの脳は学習モードに入り、安心感や喜びなど「快」を感じると「脳の報償系」がより活性化し、水中でリズミカルに手・足を動かし始めます。

感覚器と運動神経の結び付きは情緒へと発展し相乗効果を産みます。それに加えて、お母さんに抱かれ、指導者に見守られてのやさしい表情・語り掛けは心全体の機能に働きかけます。水中で動くことの大きな効果は、部分的では無く身体・心全体の発達に効果を与えると言ってよいでしょう。

「子どもは遊びの中で育つ」「遊びは全て学習」自分の感情や欲求に従いながら、能動的に遊び、熱中する。これが集中力・自発制・創造性を形成し知的能力に発展していくのではないでしょうか。

ベビースイミング・3歳児水泳を指導していくなかで、好きな泳ぎ・水遊びをしている子の泳ぎ方・水慣れの仕方は、個々に工夫が生まれています。

逆に親が先回りをして、子供に要求をしている場合は、親の期待に沿おうと努力し続けてしまう。その結果、自主性が無く依存的で自発性に欠け、楽しそうではありません。

ベビースイミングでは子どもの好きな水慣れを見つけ出し、水をオモチャにして、何回も繰り返して行い楽しませてあげる事が、能力開発と同時に「人間力」を高めることになると思います。

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